Zendeskで学校のテストを再現してみた
こんにちは、昴です。
クラスメソッド Zendesk Advebt Calender 2023 22日目になります。
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クラスメソッド Zendesk Advent Calendar 2023 | Advent Calendar 2023 - Qiita
今回は学校などで行われるテストについてZendsk上で再現してみました。
はじめに
12月ももうすぐ終わるというこの時期、皆さんはこの時期に何を思い浮かべますか?クリスマスや忘年会、年末は色々ありますが、学生時代を思い出すとこの時期は期末試験で頭がいっぱいだったのではないでしょうか。そこで今回はZendeskを使ってテストを再現して、実際に受験するところから採点、テスト返却、分析まで行ってみたいと思います。
設定
今回はエージェントを先生、エンドユーザーを生徒に見立てて設定していきます。 全体の流れとしては、リクエストフォームからテストを受験出来るようにし、回答用紙をチケットとして送信します。その後、テスト返却やフィードバック等をチケット内で行い、各問題やテスト全体の平均点などをExploreで分析していきます。
フィールド
まずはフィールドを作成していきます。作成するフィールドは大きく2種類です。
1つ目はエンドユーザー(生徒)が回答するフィールドです。フィールドの説明欄を使って、エンドユーザーには問題を表示し、エンドユーザーが編集可能なフィールドを作成していきます。
2つ目は採点用のフィールドです。こちらはエンドユーザーから見えないよう設定します。またこのフィールドを後ほどExploreでも利用していきます。
また、色々なテストで使いまわしができるようにフィールド名はそれぞれ「問1」「問1採点」と設定していきます。
チケットフィールドの作成は管理センターのオブジェクトとルール > チケット > フィールドへ移動し、「フィールドを追加」から行います。
回答用
生徒の回答用のフィールドを作成していきます。
まずはフィールタイプの選択です。問題によっては選択問題や記述問題があると思いますが、今回は選択問題を中心に「ドロップダウン」と「マルチセレクト」を使用していきます。
フィールドの作成画面へ移動したら、まず権限を指定します。回答用のフィールドとなるので顧客は編集可能を選択します。
次にエージェントとエンドユーザーそれぞれに表示されるタイトルを「問1」と設定します。問題文もそれぞれフィールドの説明欄に入力していきます。(配点含む)また、問題が解けず空欄のままテストを提出する生徒も考えられるため、必須入力には設定しません。
次に回答の選択肢となるものをフィールドの値に入力していきます。
最後に保存を選択してフィールドの完成です。これを問題の数だけ作成していきます。
採点用
続いて採点用のフィールドを作成していきます。
フィールドタイプは「数値」を選択します。権限は採点用のためエージェントは編集可能にし、また採点漏れがないように「チケットの解決時に入力を必須にする」を有効にして必須入力とします。最後に保存を選択してフィールドの完成です。この各問題の採点フィールドに加え合計点のフィールドも作成します。
件名と説明
フォームにフィールドをセットする際に、必須のフィールドがあります。それは「説明」フィールドでリクエスト時に本文に当たるフィールドです。このフィールドと「件名」フィールドはフォームから外すことはできず、また「説明」フィールドは送信する際に入力が必須となっています。 そのため、今回のテストのケースでは「件名」には「名前を入力してください」と説明を入れ、「説明」には「その他特記事項があれば記入してください。無い場合は「特になし」と記入してください。」と説明を入れます。
フォーム
チケットフォームの作成は管理センターのオブジェクトとルール > チケット > フォームへ移動し、「フォームを追加」から行います。
フォーム名は「学力テスト」と入力し、エンドユーザーがフォームを選択できるように、「エンドユーザーが編集可能」を有効にしておきます。 フィールドの順番は「問1」「問1採点」「問2」「問2採点」・・・というように交互に設定していき、最後に「説明」と「合計点」のフィールドを配置します。最後に保存を選択してフォームの完成です。
ここまででテストの準備と採点の準備が出来ました。
マクロ
さて続いてはマクロを作成していきます。
マクロはテスト返却で各問題の採点の結果や解説に使用します。
管理センターのワークスペース > エージェントツール > マクロへ移動し、「マクロを追加」から作成していきます。
作成画面へ移動したら、まずマクロ名を入力します。今回はテスト返却で使用するため、「学力テスト::テスト返却」という名前にします。 次にアクションですが、「コメント/説明」を選択し、問題や答え、各問題の解説を入力し、また点数も入力できるようにしておきます。問題の解説部分は入力画面の左下のメニューからコードブロック等を使用すると分かりやすくなります。
またマクロのテンプレートを作成しておけば、他のテストでも同様に作成することができ、再度1から作る手間も減るためおすすめです。
実際にテストを受けてみる
それでは実際にテストを受験してみます。今回は他の方にも協力してもらい、受験してみたフィードバック等を最後にまとめます。 ヘルプセンターの「リクエストを送信」から「学力テスト」のフォームを選択します。 すると問題がすべて表示されるので、1つずつ埋めていきます。
最後に送信を選択してテスト終了です。 それではエージェント(先生)に届いたテスト(チケット)を確認してみましょう。
採点してテスト返却
届いたテスト結果を確認し、採点して返却を行っていきます。 届いたチケットを開き、フィールド欄を下にスクロールしていくと、各問題の答えが表示されました。各問題のすぐ下に作成した採点用のフィールドがあるので点数を入力していきます。
その後マクロから「学力テスト::テスト返却」を選択し、点数と解説のベースを貼り付けます。ここに点数を記載して、エンドユーザーに送信します。
生徒目線のテスト返却
返却されたテスト(チケット)を確認してみます。
まずヘルプセンターの自分のアイコンから「リクエスト」を選択します。
するとこれまでのチケットが一覧で表示されるので、今回のテストを選択します。 チケットを開くと今回のテスト結果と解説が確認でき、画面右側で自分の解答も確認することができます。
また今回テスト自体をチケットで行っているため、このテストのチケットからそのまま会話を続けることができます。 例えば、「採点が間違っていたから直してほしい」といった相談だったり、「問題の解説についてもっと詳しく教えてほしい」など話すことができます。
テスト結果の分析
最後にExploreでテスト結果の分析をします。
ダッシュボード上にいくつかのレポートを作成し、テストを受けたエンドユーザー(生徒達)の点数を可視化してみます。作成するレポートはそれぞれの点数と平均点、最高点です。(学生時代に発表されていたであろうものを選んでます。)
Zendesk Exploreのサイドバーからダッシュボードへ移動し、右上の新規ダッシュボードを選択します。
ダッシュボードが開いたら、左上の追加からレポーティングデータ > レポートを追加を選択し、「新規レポート」から新規のレポート作成画面へ移動します。データセットは「Support - チケット」を選択します。(他のレポート作成も同様に行います。)
1つ目のレポートはテストを受けたエンドユーザー全員の各問題・合計の点数を表で出したいと思います。設定は下記のとおりになります。
- タイトル:全員の点数(表)
- メトリック:SUM(問1~10採点、合計点)
- 列:-
- 行:送信者の名前
- フィルター:チケットの作成日時、チケットフォーム(学力テスト)
- 表示タイプ:表
2つ目に各エンドユーザーの点数をグラフでも出してみます。設定は下記の通りになります。作成したグラフ上で詳細を見たい棒グラフにカーソルを合わせると、各問の詳しい点数も表示されます。
- タイトル:全員の点数(グラフ)
- メトリック:SUM(問1~10採点)
- 列:送信者の名前
- 行:-
- フィルター:チケットの作成日時、チケットフォーム(学力テスト)
- 表示タイプ:棒
3つ目に平均点を出します。設定は下記の通りになります。
- タイトル:平均点
- メトリック:AVG(合計点)
- 列:-
- 行:-
- フィルター:チケットの作成日時、チケットフォーム(学力テスト)
- 表示タイプ:オート
最後に最高点を出します。設定は下記の通りになります。
- タイトル:最高点
- メトリック:MAX(合計点)
- 列:-
- 行:-
- フィルター:チケットの作成日時、チケットフォーム(学力テスト)
- 表示タイプ:オート
最後にダッシュボード全体のバランスや位置を調整して完成となります。これでテストの結果が一目でわかるようになりました。また、必要に応じてダッシュボードの左下の「エクスポート」ボタンからエクスポートすることができます。
フィードバック
今回他の方にもテストを受けていただき、様々なフィードバックを頂きました。
- 本文書かないと送信できないの面倒
- 手動で合計点を計算しているのが面倒
- 返却されたテストを確認する際に、毎回右上にスクロールして確認しないといけない
- 副担任など他の教員をCC入れることで教員間で共有もできる
- テストが増えすぎたときに探す手段がほしい
- 自動採点出来たらもっと効率的
設定する段階では気づかなかった部分が色々ありました。 このフィードバックから、下記のような改善や工夫が出来そうです。
- 入力必須の「説明」フィールドの扱い方の工夫
- ナレッジキャプチャーを使用して参考記事を生徒に共有
- トリガを使った自動採点
各問の選択によって数値を入力するトリガを設定する
まとめ
今回はZendeskで学校などで行われるテストについてZendsk上で再現してみました。まだまだ修正や改善はありますが、色々なものにZendeskを当てはめてみて応用してみれば実現が出来そうですね!